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感情のコントロールがきかない子どものような大人たち

最近、ある女性の国会議員が、自分の秘書が何かを間違えただけで、激しく怒鳴りつけるその音声がさかんに流れてきます。朝も身支度をしていると、急に「このハゲーーー!」という怒鳴り声が流れてくるのでびっくりします。思わず噴き出しますね。(笑)
 
あの絶叫する声だけがクローズアップされていることに違和感を感じはしますが、のちに秘書が高速道路を逆走したんだとか。それもあかんでしょ。フツーに怒りますよ。でもあれは怒り過ぎですわ。(笑) 

それは置いといても、この女史のヒステリックで執拗な責め口調には、なにか、この秘書のミス以外の何か?彼女自身の抱え持つ心理的な闇の存在を感じずにはいられません。想像しすぎでしょうが、ここまで怒るということはこの件以外に対するストレスや怒りを、一緒くたにしてぶつけているように感じています。

しかし、この件についての是非はおいといて、このような自分の感情をコントロールできない子どものような大人たちが増えているのではないか、と感じています。それが強烈になると「モンスター」と化してしまうのですが、今日はこの件について書いてみます。

社会を脅かすモンスターという存在

さて、そのように極端に自分の感情が抑えられずに衝動的になり、あるいは、反社会的な行為、暴言・暴力・嫌がらせなど、このような自制が利かない人は世の中にはたくさんたくさん存在しています。今も、そして昔からいますいます。星飛雄馬の父、星一徹みたいなちゃぶ台をどかーんとひっくり返すオヤジは昭和にたくさんいましたから、別に珍しくもないですね。

大企業から中小企業の社長や役員、学校などの父兄、隣人、父親、母親、上司、同僚、彼氏、彼女、、、などなど。いわゆる感情の抑制が利かずにキレてしまう人。キレるぐらいならまだあるあるーで済むのですが、、。

ただ悪質なのは、自分が相手よりも上位の立場を利用しては、上から怒鳴りつけ人格否定するような言動をして、立場の弱い者をターゲットにしていじめるモラハラパワハラSNSでの脅迫お客様係に毎日電話してクレームをつけて怒鳴る人店員に大したことがないのに土下座させる主婦我が子を一番に扱えと学校に怒鳴り込む親たち、などなど、どうしようもない人たちが増えているのが現実です。

つい最近も、鉄道の駅員さんにいいがかりをつけては脅したり殴ったりするバカが増えていますが、これも同じですね。
私も以前、新千歳空港で飛行機の使用機到着遅れで羽田行きが30分以上遅延したとき、イライラしたどっかのオヤジが「お前たちこんなことじゃJALに負けてしまうぞ!早くしろ!」と地上係員に大声で怒鳴り嫌がらせしているのです。

このような、利己的で自己中心的な振る舞いや行動をする人達をいわゆるモンスターと呼ばれています。
とくに社会的に問題となっているのがモンスタークレーマーという存在です。彼らは企業や団体に些細な事で、いいがかりに近いクレームをつけてきては、過剰な謝罪や金銭を要求してきます。

モンスターの特徴とは?

では、モンスターとはどんな特徴があるのかというと、、、
●自己中心的、利己主義、わがままで自分のことしか考えない
●全体のルールや規範意識が薄く、ルールが守れない
●上から目線で人を見下し相手が弱みを見せるとしつこく攻撃する
●自分の権利ばかりを主張して責任を取らない、すべて人のせいにする
●平気でウソをつき、他人を貶めることに罪悪感がない
●過剰な攻撃性が強く粘着質でしつこい
●陰湿な 嫌がらせをする

●自分を弱者であるかのように装い相手を黙らせ挑発し続ける
●相手の人格そのものを否定し徹底的に叩きのめす
などなどなど。。。

これらの特徴を見て改めて気が付くのですが、これらは「自己愛性パーソナリティ障害」と「反社会性パーソナリティ障害」とサイコパスの特徴にそっくりではありませんか!はい、じつはモンスターという名称は最近登場したものであり、サイコパスと呼ばれる良心がなく人を人とも思わない冷酷で共感力が欠如した人々の特徴とも類似しているのです。

正確にはこれらがくっきりと線引きできているわけではなく、混ざり合った特徴といった感じでしょうか。

このなかには、すべてとはいいませんが、世間的にいういわゆる「立派な職業の方」が結構な確率で存在しています。公務員や企業の役員などもかなりの割合だそうです。ふだんは「理性的に感情を抑える仕事をしている」方達の中にもこのようなモンスターといわれる人達がいるということに驚きます。また驚くことにこのモンスターは10年間で5倍も増えているという話もあるそうです。

さて、モンスターといわれる人達はまさか自分がモンスターだとは思っていません。当然といえば当然なんですが。
自分のことしか考えられない、自分の利益しか頭にない、のがモンスターの特徴なのですから。

なぜ日本にモンスターが増えてしまったのか?

なぜこの10年ほどでこんなにモンスターが増えてしまったのか?原因みたいなものにはいろんな説がありますが、ここからはモンスターと言われる人達をみてきた私の考察を書いてみます。

まずモンスターを分析すると、心理的精神分析的な考察とと脳科学的な考察とに分かれると思います。私は心理の専門家なのでどちらかといえば、心理問題、精神分析的にみていきますが、これもいろんな要因が考えられます。

ひとつは、核家族化して3世代同居が減ったことと、少子化で女性が一生に産む子どもが少なくなったことと、愛情や思いやりなど目に見えない価値観よりもお金や家土地などの目に見える価値に執着する親から愛情を与えられずモノや金で育ったこども、外でいい顔をして家では子どもに虐待、ネグレクト〈無視〉無関心な親たちに育てられた子ども、過保護・過干渉・叱れない親に放置されてきた子ども、などなど。

これらの要因がかさなると、子どもは親の生き方を真似て自分の生き方としてインストールしてしまう、という本能的な習性がありますから、利己的で自己中心的な生き方をする親を真似てしまう可能性は大いにあると考えます。

それともうひとつは、
核家族化・少子化の影響で母親の愛情がひとりの子に集中しやすくなっていることです。そのうえ、夫との関係性が悪くなるとそのストレスと淋しさを埋めるために、子どもを溺愛し、自分から離れられないように思い通りに支配することで、子どもは社会への適応力を奪われてしまいます。

わがままを言ってもなんでもホイホイ与えてしまう、子どもが悪くても叱れない、どころか野放し状態。。

そのおかげで社会にでても適応能力がないので、何か問題があったとしても自分から解決しよう、ではなく、誰かが自分の問題を解決してくれるべきだ自分には責任はない!うまくいかないのは周りのせいだ!なんとかしろ!という肥大した自己愛を育ててしまうことになります。

これを自己愛性パーソナリティ障害と呼んでいますが、数年前よりもこれは激増していると感じています。この後者のパターンが非常に増えて社会問題化しているように感じています。近年のモンスタークレーマーなどはこの後者の方ですね。

高いプライドと低い自己肯定感が同居している

モンスターといわれる人々を見てきて私が思うのは、彼らはじつはとても心が弱いのだということ。そして、社会性が低いので他人とうまく関われなくて劣等感が強いのに、その現実には向き合えないため、自分は被害者だと、他者に対する恨みを募らせていくのです。いわゆる被害者意識ですね。

弱いからこそ「利用者」やら「弱者」などという立場をかさにきて、店員に圧力をかけたり、脅したり、暴言や暴力をふるうわけです。絶対に相手が強気に出てこられない、ということを計算しているわけです。弱い者いじめに近い心理ですね。

高いプライドと低い自己重要感は同居している、と私はよく言いますが、まさにこのようなモンスターといわれる人々は、自分の力を誇示し、相手をひれ伏させることで、日ごろのうっぷんやストレスを晴らし、溜飲を下げているわけです。やれやれ。

周りの人はほんとに大変ですが、モンスター自身が「自分はどこか変だおかしい」と自覚しない限り、モンスター自身が突然こころを改めて変わるなんてことは一切ありません。残念ですが。。

なのでこのモンスターを変えようとするよりもこのモンスターにどう対処するか?どう距離を取るか?どうつきあっていくか?という方法を考えた方がいいかと思います。

モンスターへの対処法とは

私は過剰にぺこぺこと謝罪することはお勧めしません
日本人はこれをやり過ぎるからクレーマーが増えてしまうのです。

彼らは謝る相手とみるや、そこに付け込んでくる可能性があるからです。そこで収まる場合もあるでしょうが、さらなるいちゃもんや、金銭を要求してくることもあります。できれば一貫してタンタンとした態度で事実確認を優先すべきです。

あまりにも暴言や脅しがあった場合は、弁護士に相談してからお返事します、でいいと思います。
威力業務妨害脅迫罪などで告訴してもいいでしょう。そのためにも弁護士保険にはいっておくのもお薦めです。

くれぐれもアタフタせずに、一貫して毅然とした態度を取ることが大事です。

私も過去にありましたが、スタッフに対して暴言・暴力・威嚇・性的嫌がらせなどが起きた場合は、社長として私が表にドン!と出ていきます。そして、きちんと正面からはっきりと「その迷惑行為は禁止します。あなたにはサービスを提供しません」と言います。

そのためにも相手との会話は全部録音するといいでしょう。いまやスマホには便利な録音アプリもたくさんあります。メールのやりとりもスクリーンショットや写真で保存しておきます。ツイッターなどで強迫される場合もスクリーンショットで保存しておくことをお勧めします。いわゆる魚拓を取るということですね。

というわけで、長くなりましたが、モンスターという問題について書いてみました。これからもますます増えると思いますが、くれぐれも悪質なモンスタークレーマーたちの起こすトラブルには巻き込まれないようにしましょう。