心理カウンセラーや心理セラピストの仕事を目指す方に

心理カウンセラー、心理セラピスト、ボディケア、アロマセラピー、ヒーリングなどなどいろんな癒しのお仕事をする方が世の中に増えています。いったいなぜこんなに人を癒したいという方が世の中多いのかな、と思い、ちょっと感じていることを書いてみます。

目次

癒しの仕事を選んだ動機は何?

心理カウンセラーや心理セラピストの仕事を目指す方にまずどうしてこんなに癒しや心理のお仕事をする人が増えたのか?ちょっと分析してみるとこんなかんじになります。

まず動機にはこれが挙げられます。
・自分が癒されてきたから
・雇われる生き方が窮屈だから
・心理がおもしろいから伝える仕事がしたい
・自分が変われたので人を変えてみたい
・あの人みたいにすごいカウンセラーになりたい
・手軽に誰でも起業できるから
・みんな周りの人がやろうとしているから自分もやる

こんな感じじゃないかと思います。
最初のきっかけや動機はなんでもいいかと思うんですが、けれど「継続して続けられるか?」ということになると話は変わってくると思うんですよ。

やはり心理の仕事は自分ありきなので、自分自身の軸が強くなければやっていけません。
これは例えばですが、ものすごいモンスター級のクライアントが武装してマシンガンぶっ放しながら、やってくる場合もあるわけですよ。(笑) いやいや武器は持ってませんが、「あんたの実力を試してやる、私はどこの病院に行っても、どこのセミナーにカウンセリングに行っても私は変わらなかったんだ、変えられるもんならやってみろ!」というエネルギーでにらみつけながらやってくることもありますが、あなたはそういうときどうしますか?ってことなんです。

どんなクライアントでもあなたは対応できますか?

正直そこでこの仕事を選んだことを後悔して怖くなって逃げだすのであれば、今のうちにさっさと辞めたらええですよ。ということです。実際に講座にも1日中私をにらみつけながら受講する人も過去何人もいましたが、その心理ゲームに乗ってしまえば心理セラピストとしてもうアウトです。

あるいは、「カズ姐さんが大好きです!大ファンなんです!」と言いながらじつは認められたい、見てほしいという思いが強く、ことあるごとに「私はこんな可哀想な人間なんです!私だけを特別に見て欲しい!」というアピールに、心がトレーニングを積んでいない心理カウンセラーや心理セラピストはこの方の心理ゲームに巻き込まれていくでしょう。

あるいは、「境界性パーソナリティ」の持つ不安定さや危うさに巻き込まれて、「死んでやる、あんたのせいだ!」と言われた心理セラピストやカウンセラーは、怖くなっておびえてしまい、相手の言うままに「お世話」という名のサポートを親身にやってしまいます。

解離性人格障害の方も増えています。セッションのたびにあの人格、この人格と違う人格を出し続けて、こちらを混乱させていくこともありますし、境界型の混じった攻撃性の高い反社会性パーソナリティの人もいます。

要するに、いろんな病的なクライアントがたくさん増えているこの世の中で、それに対応できる心理職の人間はごくわずかだということです。ほとんどの人が楽しくやっほーカウンセラー楽しい!というレベルで仕事がやれると思い込んでいる人が増えてしまい、カズ姐さんのようになりたいです!と言ってくるのですが、私はこの仕事を11年やっていますから、ヤッホー楽しい!だけでやれるような楽しい仕事じゃないから、「楽しさを求めるんなら今すぐ辞めた方がいいねー。」とキラキラした夢をがんがん破壊しています。(笑) いえ本人のために。

まずは自分の問題に真摯に取り組むこと

順番があるんです。
自分の核となるコアな問題をまずは解決してください。話はそれからです、と講座でもずっと言い続けています。講座に他業種からやってくる方に「私はもう問題は解決しましたから、ここで自分の問題を解決する必要はありませんから。スキルだけをカズ姐さんとこに学びに来ました。」というちゃっかりさんがよくいますが、たいていは途中で講座をリタイアします。問題がないという人ほどまちがいなく問題満載です。

まずは自分の癒しを続けること。
未完了の過去の親子問題に決着がつかないのならば、それに取り組み続けること。
そうすることで、次のステップにいきます。

自分の問題がある程度解決に向かう過程の中で、こんどは人に対して援助する側に回れるようになります。その中でさらに自分の問題や課題も見えてきますので、それらを解決しながら対人援助を続けていくことが大事になります。スキルやテクニックは必要不可欠なものですが、それだけで人が変わるものではありませんし、逆にスキルやテクニックで変えようとしている事が見えるとクライアントは興ざめして逆効果になります。

対人援助が個人セッションレベルである程度できるようになれば、次にはより多くの人に与えるというステージに入り、一対他への講座が出来るようになります。より多くの人に社会に貢献できるステージですね。

しかし、多くの人はいきなり自分の問題が未解決なのに「一対他への社会に貢献するステージ」をやろうとするから、しんどくなってくるわけです。だから自分はできない、まだまだだ、という気持ちが強くなって、自己否定感を強めて結局続かなくなってしまうわけです。

最初からそこの高いところを目指すのではなく、一歩一歩自分と向き合いながら進むことが一番大事です。
心理職はあこがれの仕事というよりも、裏方の仕事のようなもんだと私は思っています。土台をつくり、骨組みをつくり、一歩一歩地道に目的地に歩んでいくこと。あせらずゆっくりと周りと比べずに進んでいくことをお勧めします。

決して楽な事ばかりじゃない。
あなたはそれでもこの仕事をやりたいですか?

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