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未来につながる「ある質問」とは

私はよく心理セラピーセッションの中で
問題解決のための方向性を見ていくときに
相手の方に対して必ず行うある質問があります。

それが、あなたは今の現状の問題を抱えたまま
このままいくと未来はどんな風になると思いますか?

この質問は必ず行う重要な質問です。

質問とは?

脳に「~を探せ!」という命令をするわけで、
「問題を自分が持つこと」を自分が選択している?
ということに気づいてもらうという意味があります。

離れたいのに離れられない

たとえばこんなケース。
親が大嫌いなんだけど
罪悪感で離れられない、
でも一緒に居続けるとお金を搾取されたり
なにかと都合よく利用され、しかも
親の思い通りにならないと罵倒されるが
本人は文句も言えずに従う、、

と、このような事例ですね。
非常に多いです。

しかし、本人はここまで自尊心を傷つけられても
親だから感謝しなければいけないとばかりに
支配されても、利用されても、服従しつづけることがあります。

そこにあるのは、、、淡い期待。。

愛情をいつかもらえるかもしれない、
自分のことを認めてもらえるかもしれない


という、親に対する愛情や承認を求める
少しばかりの淡い期待や執着心があります。

親の事がイヤダと言いながらも
ほんとは親に対する愛情や承認をあきらめきれないのです。

だから少しでも関わりがあればうれしいし、
それが搾取されたり利用されたりすることであっても

「自分は親に喜ばれている」
「自分は親に子どもと認識されている」
「親に役立つのがうれしい」

と思ってしまうものです。

本人も利用や搾取でしか
親と繋がれないのが悲しいのですが、
それよりも少しでも親が変わってくれるかも、、という
淡い悲しい期待も含まれています。

なぜそのような利用や搾取を許すのか?と
多くの人は疑問に思う事でしょう。

しかし、子どもというものは唯一無二の
絶対的な「親」というつながりを持ちたいと
本能的に思うものなのです。

離れないメリットは何?

さて、このようなケースの場合、

親と離れたいという悩みや問題の陰には
離れたいのに離れたくないという、
離れないことで得られるメリットがあること、
が挙げられます。

嫌な事をしているのに、
嫌な事をされているのに、
わざわざそれを進んで行ってしまう、
わざわざ嫌な事をされるとわかっても
それを止められない、、

つまり問題を維持し続けることで
本人が得られることがあるわけですね。

そう、これが2次利得というわけで、
〈あらゆる問題や悩みにはメリットがある〉
リトリーブサイコセラピーでは最も重要視される
根幹をなす考え方のひとつです。

これ離れるのも地獄とどまるのも地獄、
どっちに行っても地獄にいくしかないので
フリーズしてその場から動けない、

つまり、このケースの場合ですと、、

離れたいのに離れるのが怖いし
利用されても縁が無くなるよりいい
孤独になるより親との繋がりを感じられる

そのような関わるメリットが明確にある場合は
本人も頭では分かっているけれども
問題行動を止めることができません。

たとえ周りに「辞めとけ」と言われても。。
止めることができないのです。

否定的な現実を超える未来のイメージ

このように
問題行動を辞めたいけれども止められない、
望まないのに問題を持つことを止められない

私はそういう方にとってまずは
未来をイメージさせることをお勧めしています。

簡単なんですよ。

自分がこのままで50歳になっても
60歳になっても70歳になっても
このまま親の家にかくまってもらい、
家賃を払わなくてもいい環境で
ご飯も困らないけど、

それと引き換えに親から都合よく利用され
〈家業の手伝い、子守り、家事、愚痴の聞き役などの無料奉仕〉
あるいは、お金を渡されて支配されて
失敗すればなじられ、罵倒され、文句も言えず
苦しくても親から離れられずにいる、

そういう2次利得の強い人は
未来のイメージができていないのです。

そもそも未来を考えない。
この苦しいまま惰性でいこうとするから
ますます苦しくなるわけですね。

だから私はあえて未来系の質問をします。

もしね、あなたがそこから脱け出して、
自分の人生を生きたいと本気で思うならば、、

未来このままでいくとどうなりますか?
どういう人生になると思いますか?
このままで20年後どうなると思いますか?
あなたの本当の行きたい人生は?
どこでどうしてどうなりたいですか?
どんなことをして生きていきたいですか?

そしてそこに行ったら
どんな感情や感覚が得られますか?

という未来系の質問を繰り返します。

これがまったく出てこないという場合は
現実から逃げる危険回避的な選択のみをしている
ということで精いっぱいの人生を生きているということでしょう。

人間は~にならないように、とか
不安に怖いことにならないように、という
危険回避的な思考パターンであると未来を見る
余裕が全くなくなってしまいます。

幸せな未来など見られるはずがありません。

それは2次利得という問題を持つメリットを
強く維持するという意味にもなります。

自分が主体的に幸せになる人生を選び直すこと

このような2次利得が強い場合は、
未来自分がどうなりたいか?という視点
決定的に欠けているのは当たり前です。

だからこそ、
2次利得をまずは手放すことが必要になるわけです。

2次利得を手放すと恐怖や不安が薄れるので
未来がだんだん輪郭がみえてくるのです。

そこでこのような未来系の質問は効果を発揮します。

これはセラピーに限らず、
さまざまな問題やテーマを考えるうえで役に立つ考え方です。

NLPの世界ではアズイフフレームというものなんですが、
未来志向の質問としてよく使われているものです。

自分を制限し、自分を枠くんでいる
不都合な思考や思い込みやビリーフといわれるものから
あれ?もしかして自分できるやん?と気づき、
自分を楽にしていくことも可能です。

そのためには、

■自分で自分を制限していることにまず気が付くこと
■2次利得にしがみついて問題を手放さないことに気づくこと
■2次利得にしがみつく自分の恐怖の正体を知ること
■自分を救うために行動を起こすこと

ことが大事です。

先ほどの親から離れたいのに離れられない、という
問題を持っている人にこの質問を投げかけると
みなさん、言葉に詰まって、
自分の内側から出てくる答えにショックを受けるものです。

えーやばい、わたし○○歳になっても
いまだに親のいいなりで
親の介護だけさせられて自分の好きなことを
まったくやれない人生になってるかもしれない!

よかった。まだ間に合います。

気づいたときが変化成長のチャンス。

まずは2次利得に気づいて、問題を持つことを止めましょう。
そして未来系の質問を自分の脳に投げかけること。

あなたの未来のために。

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