依存症はどうやったら抜け出せるのか

今日はちょっと
心理のディープなお話しを書いてみます。

今日のテーマはこれ。
薬物依存はなおるのでしょうか?
依存症はどうやったら抜け出せるのでしょうか?

薬物に囚われてしまった理由とは

先日元プロ野球選手の清原クンがコラム
薬物所持と使用で逮捕・保釈されましたね。

いろんなところでいろんな話がありますが、
ここは私がみた私の考えを私独自の視点でまとめてみました。

私はね、彼が捕まってくれて
ほんとに良かったなあと思っています。
(・∀・)

逮捕してくれなかったら彼は最後には自殺したんじゃないか、って思いました。
実際死にたかったと周りに漏らしていたともいいます。

講座の中では何度かこの話は受講生向けにはお話しているのですが、彼がなぜこんなにも薬物依存しかも重度といわれる中毒症にまでなってしまったのか。。

彼はだんじりで有名な岸和田の出身で、まさしく男は負けるな!泣くことはならん!という土地に生まれています。昔の男性はそうしつけられてきた方が多いとは思いますが、彼の父親は自営業の電気屋さんでもあり、躾に厳しかったのは想像に難くありません。

それでも彼は持ち前の頑張りで認められてK・KコンビでPLの黄金時代を築きあげ、将来を約束されていました。ところが、あのドラフト会議事件です。

のーっと桑田君が大学に行くわ〜言うてたのに、巨人に1位指名されたらなんとその気になってもうた!
というあの事件ですね。

はい、あれは清原君にはショックだったろうし初めて出会った人生の大挫折なんだと思うのです。

それでも彼はホームランを西武で打ち続け打倒巨人を心に決め、日本シリーズではアウトあと1カウントで号泣したあのシーン。はい、私もよく覚えておりますよ~~。リアル中継で見ていて涙した人も多かったのではないでしょうかー。

あれは、

彼が自分を否定し拒絶した者に対する復讐心のために頑張って来たという証明だったのかもしれません。

となると、彼はダメな自分や
弱い自分や失敗する自分を認めることは
無価値な人間になることだ、
そんなことを認めると生きる価値がない
、、
と無意識に感じていたのかもしれません。

みんなの前で輝く存在であり続け、
いつも一番でいて成功した自分でなければならない、そうでないと生きる価値がない。

それでは苦しすぎます。。

ずっと輝き続けるなんて、ずっと成功し続けるなんて、誰にもできないこと。。

そして、彼自身が本当に欲しいものは、安心感や満足感のはずだったのに、いつの間にかそれが得られないとなると、代わりの代用品で埋めようとして、刺激という薬物で高揚感を得てしまった?とも考えられます。

奥さんと子どもに逃げられ、周りから人がどんどん消えて行っても、自分の空虚感や悲しみや怖れや不安という感情に正面から向き合うのではなく、薬物で忘れることに逃げていったのだと思います。

彼は自分の弱さと向き合えなかった、受け入れて認めてしまったら楽になれたのに、まったく逆をしていたように思いました。

恐怖と不安に支配されている人生

人間は弱い生き物です。
誰一人として一人では生きられません。

薬物依存は脳の病気であり、意志の力で治すことは無理だから病院に行くべきであるとよく聞きます。
そうでしょうね。
まずは病院で専門家の治療を受けるのがベストだと思います。

ただ、薬物依存から生還したとしても、問題はそこで終わりではありません。
彼の心の問題は依然として残り続けます。

多くの依存症患者が陥るように、ひとつの依存症が終わったところでまたテーマが変わった依存症に陥ることがよくあります。ひとつの依存症がもし終わっても次は過食症かもしれませんし、買い物依存かもしれません、アルコール中毒症になるかもしれません。

そして、
最後に残る依存症は、、やはり対人関係依存、なんだそうです。

つまり、根本問題が未解決だからこそ依存症自体が手を替え品を替え、モグラたたきのようにでてくるわけです。私はありとあらゆる依存症の問題は心の問題であると位置づけています。

依存症の人達の多くは恐怖と不安に
支配されている人生だから
なんですね。

そう、人生のすべてが恐怖と不安だらけ。
人が世間が怖くて怖くてたまらないし信用できないし、安心できないのでうまく人と関われなかったりします。

つまり基本的安心感が心の基軸にないと
何か人や物質的な物に頼らないと怖くて生きていけない

人とはかくも弱い生き物なんであります。

その基本的な安心感とは本来は幼少期に培うもの。充分な安心感を与えてくれる愛情豊かな両親の元に育った場合はしっかりとした安心感や自己肯定感が備わっていきます。

甘やかしとは違いますよ。
甘やかしは依存の元です。

厳しく叱るときは叱る、愛情を持って包むこともできる、自立するときは失敗を見守れる、何よりも両親の仲が最高に良い、そんな家庭がベストです。

子どもが失敗しても挫折してもそれを受け止めてくれて励まし見守る、、そんな両親の元に育つのではなく、、

逆のパターンの両親に育てられた場合が問題です。

何をしても褒められなかったり、どころかけなされたり、
どんなに頑張っても罵倒されたり、否定と無視しかされなかった場合、
基本的安心感どころか基本的恐怖感しか子供の心には残りません。

その恐怖や不安を感じないように抑圧して頑張って頑張って強く強く生きていたら、その生き方を止めるには死しか見当たりません。

基本的な安心感については、私の著書にもいくつか書いてあります。
参考に読んでみてください。

清原くんが身体を鍛えると同時に心を鍛えていたなら薬物に逃げることはなかったのだろうと思います。
しっかりと向き合って復帰してほしいとそう願っています!

コラム