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毒親問題と愛着の関係

去年すごく流行った言葉に
毒親ってキーワードがありましたね。

親子問題で苦しんでいる人の多くに
この毒親問題と愛着の問題
複雑に交差し問題をさらに複雑にしています。

毒親ってなに?というと、毒親とは子どもを
否定し、拒絶し、それだけではなく、
親子逆転といって親が子どもに依存して利用したり、
はては子どもを搾取したりするという、、、

一見して虐待とは見えないけれども
子どもを心理的に追いつめ
大きな負担や心に傷を負わせるものもあります。

私は虐待されていないから大丈夫、
なのになぜこんなに苦しい?

いやいや、
虐待というのは見える虐待だけではなく、
しつけと称した教育虐待
という親の願望の肩代わりをさせられて
自分の思いや欲求を一切わかってもらえず

ただただ親の自己実現に利用される
これも立派な虐待といえます。

これを幼少期に繰り返し受け続けてしまうと、
親は子にとっての安心の対象ではなく
自分にとって安心を脅かす存在となります。

子どもにとって、家庭とは家族とは
安心安全のベースキャンプ(安全基地)であり、

外が怖いことが起きても家に帰れば大丈夫。
お母さんが笑顔で迎えてくれて
美味しいご飯と温かい布団がある
お父さんは自分をいつも守ってくれる、
お母さんとお父さんが仲良しで自分はこの家族の一員、
ここにいれば自分は安心だ


この安心感覚が自分の内側に備わると
子どもは外で冒険したり外に友達を作っては
自分の家族以外の世界や人との関わりを学びます。

子どもにとって、いや、人にとっては
安心安全な感覚はまず家族がベースなのです。
それが将来の人との関わり方、愛し方につながるのですから。

子どもと親との安心安全の感覚、
つまり愛着関係が築かれてきたかどうか?
が人生にとっての生き易さにつながります。

詳しくはこちらに。

愛着とは何か?

愛着が将来の人間関係に影響する理由

愛着に支障をきたすとまちがいなく
将来の人間関係、友人関係や仕事関係、とくに困るのは
パートナーシップに影響がでてきやすい、
ということでしょうか。

なぜなら、幼少期に築き上げた「愛着」は
大人になってからの人の関わりや愛し方そのもの
につながるから、です。

親との関わりが(親でない場合もある)そのまま
他人との関わりと変換されていきます。

だから昔からよくいうのが、
結婚するときは両親を見よという言葉。
あれはまさしく当たっているというわけです。

確かにそうだな、とうなづくケースが多々あります。

ある女性が結婚相手を見つけて
相手方のご両親の元に挨拶に行くと
ご両親がとても仲良しだったので驚いた、とのこと。

なぜならこの女性のご両親はいつも不仲でケンカばかり
結婚とはお互いを支配し束縛するというイメージでした。
このような愛情豊かな両親に育てられた彼だから
結婚してもきっと大丈夫だろうと確信したそうです。


そしてめでたく結婚に至ったのですが、
彼女はご主人があまりにも温厚で怒らない人なので
自分からケンカを仕掛けていた、そうですが。(笑)

愛し方は世代間を通じて連鎖していく

私たちは、愛着スタイルが安定しているか?
不安定な愛着スタイルなのか?によって
人との関わり方や人の愛し方、
とくに恋愛、結婚、子育て、などに反映されます。

自分の親子関係の問題が
世代間を超えて繰り返されていきます。

自分から子へそして孫へと引き継がれていきます。
なぜなら、その愛し方しか知らない、からです。

母が支配的で子どもを思い通りにしていると
その子が母親になるとまた同じように子を支配しがちです。

あ、私も母親と同じことしてる!と気づくのは幸い、
でも多くの人がここには気づけないままです。

どのような愛着か?が恋愛や結婚に影響する

だからできれば、自分どこか?変?
と感じた場合は早めの解決をお薦めしているのです。

・見捨てられ不安がある
・人が怖い
・人が信用できない
・人の愛情を受け取れない
・利用を愛情と勘違いする
・相手のいいなりになってしまう
・言いたいことが言えない
・嫌われるのが怖い
・一人になるのが怖い
・親しくなると相手が嫌になる
・親しい人や愛する人の愛情を試す
・わざと嫌われる言動を取り相手が去っていく
・パートナーに好きと言われても信用できない
・いつも自分から相手との関係を切る


これらの問題はもしかしたら?
愛着の問題が深くからんでいるかもしれません。
結婚する前にしておくのをおすすめします。

そうでないと結婚自体が
親にもらえなかった欠けた安心の穴埋め
相手にもらおうとする関係性になりがち。

結婚相手に過去の未完了の人を投影するのは問題

しかしそれは結局、過去の
親子関係の焼き直しになるんですね。

妻だと思っていたら、妻が幼児のように
自分に甘えて依存してきて気持ち悪い、と
旦那が仕事に逃げて、
外に女を作って家庭から逃げる、
という不幸な結末になりがち。

不倫をした側を責めることが多いのですが、
そもそも大人同士の結婚をしたはずなのにいつの間にか
どちらかか「ばぶーー」と赤ん坊になってしまえば
相手は逃げたくなるのも当然です。

結果として離婚という形になるのですが、
もしここの愛着の問題に気づいて解決しておいたら、
離婚というお別れをしなくても良かったのに、という
パートナーたちをたくさん見てきました。

これも幼少期の愛着を親との間に
愛情関係と安心感を築き損ねてきたからこそ
よく起こることなのです。

不安定な愛着スタイルの女性が
父親に似た30もの年上の男性に近づいていくのもこの心理。

もしかしたら目の前のパートナーに
過去の未完了の感情が乗っかっているかもしれません。

そうなる目の前に居る人は過去の人、です。
現実のパートナーを現実の自分の眼で見ていない、
ということになりますね。

これはちょっと怖い。

愛着の問題解決に必要なことは

さて、愛着障害の解決にはいくつかの段階があります。

一番いいのは、愛着の安定した
いいパートナーに巡り合えるのが一番ベストですが、
それは現代では非常に難しいのではないか?と思います。

そんな幸運に巡り合えない、という方
あきらめる必要はありません。

今からでも遅くないんです。

最初はまず

自分の妄想と現実を引き離すこと。

そして、幼児期に満たされなかった
感情や感覚を充分に感じて終結すること。

自分の人生と親の人生の線引き、
そして親への期待を手放すことと
親の人生脚本を降りること。

最後に、自分の人生を生きることを
自分自身に対して赦し

自分の心に安心安全の基地を作ること。

このプロセスをひとつひとつ
丁寧に踏んでいくと愛着は確実に癒され
人生における人との関わりが変わります。

人と安心して関われるように
だんだん心と身体がなじんでいきます。

すると人からの
愛情や親切や言葉が受け取れるようになり
不安からの言動が減って、
妄想から連想して相手を否定したりせず
素直に相手とのつながりを喜べるようになります。

これで夫婦関係が劇的に良くなっていった方々を
いままで多数みてきました。

最終的には
「愛してもらいたい!認めてもらいたい!」という
愛情飢餓の抑圧状態から大きく変化して
自分が愛する、自分から愛を与える側になり、
相手からも与えられるようになって安定した関係になります。

愛着の心の傷を持った人はよく相手を変えようとしますが、
相手を変えようとすれば相手は全力で抵抗するでしょう。

そんなことをしなくても
自分が愛し方を変えると相手も自然に変わります。

そうすると過去の癒されなかった心の傷が、
人との関わりの中で
愛し愛される関係を築いていくことで
癒されていくのです。

そうしてたくさんの人の愛着が変化し
確実に変わっていく姿をみて言えることは、
最終的には、、、、

人はやはり人によって癒されるのだ

ということですね。

自分が不安を抑圧するために
人と関わっていないか?どうか?
目の前の人を素直に愛せない場合は
とにかく自分の過去の親子関係から
振り返ってみるのをお薦めします。

もし自分の内側を整理したいという方は
こちらに気軽にご相談ください。