不安や恐怖を回避する生き方はなぜダメなのか

 

 

目次

  スピミリオネアフェス?

もう数年前の話になりますが、怪しいイベントからスピーチして欲しいという登壇依頼のメールが来ました。

スピミリオネア?というイベントサイトでしたが、サイトを覗いてみると、なんと魔法のランプが描かれていました。
もうそれだけで怪しさ満載のイベントです。いや、魔法のランプですよ。w

「おいおいランプこすったらお金がザクザクなんて言いやしないだろうね」と呟きつつ読んでみると、やはりそのような趣旨のイベントでした。ミリオネアに憧れるのはわかるのですが。努力せずに苦労なしに成功だけ手に入れたい、楽して成功したいという気持ちがどこかに透けてみえる気がします。

過去にもそのようなお金儲け系のスピリチュアルにハマってしまう知り合いが数人いましたが、結局、時間とお金と労力の浪費をして結局はインフルエンサーと言われる怪しい人物にかなりの高額なお布施を巻き上げられてしまいました。

これを学んだらあなたもミリオネアあなたは億女になれます的な、根拠もない高いツボを買い、自分もスピリチュアルで大成功したいという夢を追いかけて破綻してしまいましたが、そういう方がいまだにたくさんいます。

これらの多くは認められたくて愛されたくてキラキラしたくて、それで起業したいという起業したての初心者をカモにするひよこ喰いというビジネスです。

要するにビジネスで儲けてるのではなく
承認欲求の強い起業初心者に高いツボを買わせるコンサルとかセミナーとかネットワークビジネスとかに気がついたら有り金巻き上げられて結局儲けるのはそういう業者だけ。

そういう業者だけが得してカモにされた起業希望者は結局成果が何一つ出せないまま、また次のセミナーに行く、、これを繰り返しています。セミナージプシーをしている人の多くは、辛い努力や痛みを超えることよりも、運に任せようとしてしまいます。

悔しい、騙されてしまった、という被害を訴える方も多いのですが、起業初心者はとにかくターゲットに遭いやすいのも事実です。なぜなら将来の不安、お金の不安を抱えているからです。

  不安が視野を狭めてしまう

不安な人は不安を埋めることに脳神経を全集中させてしまいますので、とにかく安心したい。安心するためにはまず不安や恐怖を避ける選択肢を選びがちになります。

そのためには不安を解消するためのノウハウや手っ取り早く儲かる方法、集客が簡単にささっとできる、あっという間に月間7桁の売り上げ、のような言葉に心が惹かれてしまいます。不安でなければこのようなキーワードには意識がいかないでしょう。

だから不安や恐怖の正体とまず向き合っておくべきなのです。

それをすっ飛ばして手っ取り早く不安を解消させるための方法ばかりに囚われてしまうと、安直なお金儲けに飛びついて、後々後悔することにもなりかねません。

  努力なしの成功を手に入れたい

不安や恐怖は誰にでもあるし、そもそも起業初心者は不安で当たり前です。新しい世界、歩いたことのない世界は誰しも多少の不安はあって当然です。しかし、その不安を排除しようとして急いで焦って、不安を解決してくれそうなものに心が惹かれて一気にそこに飛びついてしまうのは考えものです。

確かに一足飛びに成功した、うまくいって悠々自適で自由な人生を謳歌できた、そういう武勇伝的な自己啓発本の著者やインフルエンサーの話しを聞くと、自分もそうなりたい、と感じるでしょうが、

そもそも成功している人や成功している経営者などは私の知っている限り地道な努力をしてきた人です。
会社員しながらも勉強しながら自分の知識を磨き技術を学んで身につけ日々自分ができることをやり続けそれが数年後に実るそういう人ばかりです。

それを一足飛びで魔法のように願えば叶うとばかりに

ありのままの私で輝いて
愛されることを受け入れていれば
愛も成功もお金も手に入る

という一足飛びの成功を夢見て、努力よりも運任せのような漠然とした雰囲気で起業しようとすると、お金の問題や人間関係や本質的な仕事に対しての問題は次々と表面化してしまいます。

私もそのような方々の相談に乗ることは多いのですが、起業することは意外と簡単にできます。
しかしこれを継続できるかどうか? は、別問題です。継続して利益を出していくことは経営者にとって大事なことですが、起業して輝きたい、というふわっとした現実味のない起業は「起業した素敵なワタシ」を現実にした途端に目的達成してしまうわけですね。その次に何をしていいのかわからなくなり、やる気が消失してしまいます。

それをなんとかするために、物を販売してみたり、マッサージをしてみたり、占いをやってみたりと、一貫性のないビジネス展開になってしまい、何がやりたかったのか本人自身も訳がわからなくなってきます。

先ほども述べたように、起業は簡単ですが、継続して経営者として利益を出していくことは、もっと難しく大体の経営者は数年後に業界からフェードアウトしていく人もたくさんみてきました。

結局は経営とは継続していくことの難しさに尽きると思います。

  継続することの難しさと大切さ

ちなみに私は起業して、もうかれこれ20年近経営者としてそれなりに事業を継続してきましたが決して楽をしてきた訳ではありません。

あれこれと手を出さずに地道に心理セラピーの仕事だけをブレずに追求し続けてきた結果、今はたくさんの仲間を得てセラピー活動を続けることができています。

それはお金を稼ぐことにフォーカスするのではなく、成功者になることが目的ではなく、自分がやりたい世界観を求めてそれを作り上げていくことに喜びを感じながらブレずにやってきたからだと思います。

それは私自身が、目的志向が強いタイプで、恐れや不安を回避するための行動よりも、より自分がどうありたいのか、自分の人生をどうしていきたいのか、という恐れからの行動ではなく、未来に向かってどうありたいかを中心にした思考の基軸があったからでしょう。

多くの人は意外だと思われるでしょうが、私は普段心理セラピストとして、ネガティブな感情やトラウマや悲しみや心の闇を取り扱う仕事をしているのですが、自分自身は超絶ポジティブ思考なのです。

目的志向と回避志向の違いについて

では目的思考と回避思考の違いについて説明しましょう。

目的思考とは、未来に何か目指す目標や目的や、自分の欲求に従って物事をやり遂げていく思考パターンで、自分の欲求に正直に従い、行動します。対して、回避志向の人は、恐れや不安をなるべく回避して、感じないようになるために、先回りして心配して行動するパターンです。

回避志向のタイプの人は、もともと恐れや不安が強いので、自分の未来に対しても、自分自身に対しても、肯定的に捉えて前進するということは考えられません。それよりも恐れや不安をどうやって回避するか? にしか意識はいかないのです。

では、目的思考と回避志向では、どちらが起業に向いているのかと言えば、当然目的志向であり、未来思考ができる人の方が断然事業や起業もうまくいく傾向です。

不安は100%無くすなんてのはありえない話しで、不安がある程度ある方が、事業は失敗しにくいとも言えるでしょう。なぜなら、多少の不安はリスクヘッジとして大難を小難に変えることもあります。それはこうするとこうなるかもしれないという予測を立てていつでも対応できるように準備するという意味でも大事です。

ただ、それは自分の目的や目標に向かう上での話しであって、回避志向のように不安を妄想してその自分が作り出した恐怖のモンスターに怯えて、身を縮こまらせてしまう状態になってしまっては、人生も事業もうまくいかなくて当然です。

本当の自己実現を目指そう

では不安や恐怖を回避しないで、どうやって目的思考になれるのかという質問がきそうですが、不安や恐怖をつぶすモグラ叩きのような人生ではなく、不安や恐怖を真正面から受け止めることが大事です。そこから逃げようとするから人生は苦しくなってしまうのです。

ああ、自分は怖いんだな。でもそれも自分だ。怖くていい。怖いなあ。
と呟いてみるのをお勧めします。言語化すると脳は怖いという感情を認識してくれます。
そうするとちゃんと怖いという感情を感じて言葉にすることで、抑圧した恐怖の解放が起こるのです。

また、努力をショートカットしての成功などあり得ません。

多くの成功している経営者や起業家はものすごく努力して勉強して行動して現在の成功があるのだとみた方がいいでしょう。人は成功している人の結果しか目に入りませんが、プロセスは認識していません。プロセスがあって結果なのです。
魔法のランプはありません。

妄想・幻想に惑わされて変なスピやひよこ喰いのコンサルなどに騙されないように気をつけてください。
そして、自分の欠乏感を満たすために起業するのはやめましょうね。
ろくな結果にならないです。

やりたいことのためにまずは力をつけることが優先です。そして自分の自己肯定感を高めて自分の心の傷を癒し欠乏感を自分が満たすためにどうすればいいかを優先的に考えてみることをお勧めします。